漢方

ばんどう薬局の取り組み

西洋医学とは違う方法のアプローチを、上手に取り入れていくことは益の大きいものです。ばんどう薬局はそのお手伝いをすることに、力を入れております。
疾患の時期や、症状に合わせて、東洋医学の考えを、的確に選択することができれば、大きな力になってくれることでしょう。

急性疾患にも対応

漢方薬は長く服用しないといけないと、思っておられる方も多いと思います。確かに慢性疾患に対応したものが多いという、イメージがあるかもしれませんが、急性疾患のお薬もたくさんあります。急性疾患時には、細かく疾患の程度や、時期に対応した薬を、選択する必要があります。時期をたがわず、服用できれば、効果も大きいものです。自己判断することなく、ご相談ください。

病に至らない

東洋医学の基本姿勢として、病気にならないように体を整えるというものがあります。その昔、病になるということは、大変なことでした。病になってからは改善させるのは、なかなかに難しい時代だったために、病に至らないようにすることに、全力を傾けたのです。西洋医学は、病になってからの治療には、素晴らしい力を発揮しますが、病に至る前の段階ならば、東洋医学の考え方を取り入れることは、理に適っていることでしょう。

体質の違い

疾患の段階やその方の体質に合わせて、細かく薬を選択していく漢方薬は、詳しくお話を聞かせていただく必要があります。お話をしていくなかで、ご自分でも気づいていなかったような、生活習慣の癖や、食べ物の嗜好などから、体質を見極めていきます。例えば、水分を大量に摂取する方は、なぜそれほど水分を必要としているか、また、水分を欲しない方も、その理由が隠れていることがあります。ご本人は案外、ご自分の水分摂取量が多いのか、少ないのか、意識していない場合も多いことです。水分の摂り方ひとつでも、その方の体質を見極める大きなヒントになります。

同病異治

西洋薬では対応していない疾患も多くあります。例えば、多くの方を苦しめるお天気病。経験したことのない方は、わからないかもしれませんが、なかなかに理解してもらえない苦痛です。これに対処できる西洋薬は、見当たらないように思います。漢方薬では、対処の方法があります。けれども、これというお薬の名前を挙げることはできません。その方の、体質、症状の出方などによってそれぞれ違いがあり、同じ処方ではありえないからです。【同病異治】と言いまして、疾患名は同じでも、治療法は違うという意味です。

身体全体を診る

眼精疲労でお悩みの方も多いと思います。単なる目の疲れでは、済まされないほどの症状が出ることがあります。西洋医学では、その対処に眼神経に作用する目薬か、ビタミン剤の対処になることでしょう。けれども、東洋医学では、眼という器官への対処ではなく、なぜ目が疲れるのか、今、身体はどういうバランスの崩れを来しているのかということへのアプローチをします。ひどい目の疲れの症状を訴える方は、必ずそれ以外での症状も抱えているものです。

養生の意味

風邪を引きかけて、薬局へご相談にみえる患者さんから、たまに聞くこととして、早めに服めば、治ると思ってらっしゃることです。確かに早めの対処が一番です。初期に封じ込めてしまうのがいちばん簡単です。けれども、その日に遊びに行く予定があるので、帰宅は晩遅くなる、次の日も大事な仕事があるので、朝早いとのこと。お薬を服用しただけで、崩れかけている体のバランスを、元に戻そうというのは、少々甘いことだと思えます。次の日のお仕事が休めないのであれば、その日だけでも早めに帰宅して、消化の良い食事をし、身体を温めて、ゆっくり養生するべきです。その上でお薬が崩れかけているバランスを元に戻そうと頑張ってくれます。体を痛めつけていては、効くものも効かなくなってしまいます。

昔の方の養生

昔の方たちには、風邪を引いたとしても、お薬はとても高価なもので、おいそれと手に入るものではありませんでした。お薬がないからこそ、養生の方法をよく心得ていたと思います。そんな伝承は実は、とても的を得ているのに、大事に伝えていかなくなった現代をさみしく思います。それらはみな、免疫力の活性化に役立つことばかりです。養生の上に、漢方薬を加えると、力強い援軍になります。

日本漢方と中医学

東洋医学はもちろん中国から、韓国を通って伝わってきたものです。けれども、それが、日本で独自に、アレンジされて発展しました。日本独自の処方も数多くあります。中国の地で、生育した生薬を使えないので、日本で生育したものを代わりに使って、日本人の体質に合わせて作られました。この日本漢方と中国からの中医学をまとめて、東洋医学などと言ったりします。日本漢方の特徴として、量も穏やかに優しく効かせるように思います。一方、中医学では、最初にガツンとバランスを動かして、患者さん本人に、何かが変わったということで、希望を持って、治療に意欲的になってもらうという手法を取るようです。大きな変化を来すにはそれなりの荒療治ですから、副反応もあります。漢方薬には副反応はないというのは、間違いです。使い方によるのです。

『証』を見極める

一般薬として、販売されている商品の中には、実は中身は漢方薬というものがあります。上手に宣伝なさっているので、人気になるのはわかるのですが、それを服用なさっている方は、ご自分の体質にあっているかを、ご存知なのかどうかと、いつも危惧しています。体質に合っていなければ、効かないどころか、身体には負担になります。
その方の体質、東洋医学の世界では『証』と言いますが、お薬を選ぶ際に、最も重要に考えるものなのです。漢方薬は、効果の強い良いお薬なのに、証を踏まえた選択ができていない、その方に本当に適したお薬がお届けできていないことが残念でなりません。

煎じ薬とエキス剤

東洋医学では、その方の症状に応じて、生薬を組み合わせて処方します。オーダーメードな医療です。そして生薬を煎じて服用するのが本来の形です。けれども、最近は簡便に服用できる組合せの決まったレシピをエキス剤として、服用してもらうことが多くなりました。効果の点でも、吸収の良さの点でも、煎じで服用していただく方がお勧めです。ですので、エキス剤も、粉薬のように水で服用するより、お湯に溶かして、煎じと同じような形にして、服用いただくと効き目も吸収もよくなります。味が辛いという方もいらっしゃるので、そのへんは、お好みで服用していただいています。

漢方の素材です。

漢方を小分けにした袋です。

漢方について書かれた本です。

ページの先頭へ戻る